目的に応じて様々な処理の中でも、当社で行う一般的な焼きなましは、鋼の軟化と結晶粒の均一化、冷間加工性、被削性の改善を目的とした完全焼なましと、圧延、鍛造・鋳造、引抜き、溶接、そして機械加工などで蓄積された内部応力を除去する応力除去焼鈍があります。
加熱温度
下記の図を参照して下さい。
冷却方法
原則として炉冷ですが、550℃まで炉冷却し、それ以降は空冷でも可です。
焼なましの種類
- 完全焼なまし
- 拡散焼なまし
- 球状化焼なまし
- 等温焼なまし
- 歪み取り・応力除去焼なまし
弊社で毎日行われてる焼なまし処理は下記の通りです。
完全焼なまし
鋼の軟化と歪みの除去を目的とする、最も一般的な処理です。 単に焼きなましといえば、完全焼なましのことを指します。
加熱温度は上記にもありますが
- 炭素量0.77%以下の鋼(亜共析鋼)では760℃~950℃位
- 炭素量0.77%以上の鋼(過共析鋼)では760℃~780℃位
品物のサイズにより異なりますが、上記温度で3時間程度、保持したのち炉冷却します。
歪み取り・応力除去焼なまし
鍛造、鋳造、機械加工、溶接などで生じた残留応力を除去するために行う焼なまし処理です。
通常、内部応力は450℃に加熱する事により消失し始めますので、弊社では600℃にて応力除去焼なまし処理しております。4時間かけて600℃まで昇温させ、600℃に到達したら4時間保持したのち炉冷却します。
また、焼入れ時の歪みを抑える為の前処理として用いられる事もあります。